炭酸ガスボンベ(CO2)に使用する電磁弁を比較してみる

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炭酸ガスのタイマー管理に電磁弁(ソレノイドバルブ)

炭酸ガスボンベによるCO2添加を導入すると必ずと言っていいほど
電磁弁が必要になってきます。
毎日のON、OFFを手動でやるのは難しくうっかり夜通し添加してしまうと
生体、水草へのダメージは大きいでしょう。
アクアリウム用の電磁弁の多くは電源が入ると弁が開き炭酸ガスが流れ
電源が切れると弁を閉じ炭酸ガスの添加を止めることが可能です。
電磁弁をタイマーに接続して毎日指定の時間帯に添加することが出来ます。

電磁弁を選ぶ基準は?
ネット上で検索してみるとやはり本体の発熱に関する話題が多く
次にノイズ(異音)が問題になるようです。
アクアメーカーも採用している人気の電磁弁を比較してみました。
各メーカーがOEMとして販売している電磁弁は主にSMC製、CKD製です。
この2大メーカーは空圧機器分野で非常に有名で
あちこちでどちらが優れているかの議論もあるようですが
単純に比較できるものではありません。
分野で絞って比べたりすることは可能かもしれませんが
得意分野もありますので全体的総合的に優越をつけるの避けるべきでしょう。

採用されている電磁弁は元々アクアリウム用に開発されたものではなく
工業用ですので発熱に関してはそれほど気にせず設計されています。
また多くの場合長時間のONとOFFを繰り返す使われ方はされていないでしょう。
ほんの一瞬電源が入りバルブが開き、入力電力が切れてバルブを閉じる
といった使われ方がほとんどです。
一瞬弁が開閉しロボットや工場機械の駆動部に使われたりします。
アクアリウムでは8〜10時間の連続通電など想定されない使われ方ですので
熱に関する問題が浮上します。

長時間高温であることが製品寿命を縮め故障の原因になることを
様々な電磁弁を使うことで確認しています。
またメーカーは長時間の通電を推奨していません。
個体差はありますが低温であるほど製品耐久性が高いです。
またとくにSV-W電磁弁などの非常に高温になる電磁弁は
熱により継手に差し込んだ耐圧チューブが劣化して変形し
炭酸ガスが漏れることを確認しておりますので
半年〜1年毎にチューブ先端をカットして差し直すなど
メンテナンスが必要になるかと思います。

近年省エネ化が進みメーカー側から低温で消費電力の小さいタイプが
登場しています。(CKD EXA等)
非常にアクアリウム向きで当店でも数年使用していますが
現役で稼働しています。

各電磁弁の本体表面温度を計測してみました。

計測条件

外気温25.9度
通電後1時間後に電磁弁本体を計測


CKD SV-FB 
表面温度 50.2度
消費電力 2.5W
質量   88g(継手込み)
電磁弁動作時のノイズ 有(小)

アクアリウムメーカーからOEMとして販売されている電磁弁。
レビュー製品中ミドルクラスの発熱量でしょうか。
素手で触れない温度ではないので
発熱をそれほど気にすることもないでしょう
ただし以外にも質量が7製品中トップ
レギュレーターから先でだらりと垂れ下がってる
姿をよく見かけます。
ガス漏れには気を付けましょう。


SMC SV-W
表面温度 65.6度
消費電力 2.5W
質量   77g(継手込み)
電磁弁動作時のノイズ 有(小)

65.6度。ここまでくると非常に熱いです。
2秒以上素手で触るのは危険!
個人差はありますが接触時間が長いと焼けどします。
本体の部位によっては70度近くを計測しました。
小さなお子様がいる方は要注意でしょう。
接続継手までしっかり熱が伝わってますね。


VQ21A-1Y-C6
表面温度 39.4度
消費電力 2.9W
質量   64g
電磁弁動作時のノイズ 有(極小)

アクアメーカー採用ではありませんが
テストしてみました。
生暖かい感じで安心できます。
ボディが異様に大きいのが気になりますね。
この製品は設計が比較的新しいため
省エネを考えて作られています。
100V電源では発揮できませんが
12Vタイプになると消費電力が各段に落ちます。
12Vでご利用いただける方にはお勧めです。



USB2−M5-1−0
表面温度 72.4度
消費電力 4W
質量   82g(継手込み)
電磁弁動作時のノイズ 有(小)

OEMとしてアクアメーカーからも出ているものです。
型番が変更されていますので
まったく同じものか保証できません。
参考までに。
レビュー製品中最高温度を記録しました。
炭酸ガスの開閉のためにここまで無駄に熱いと
この製品を無理に選ぶ必要もないかと思います。
消費電力4Wも今回取り上げた機種の中でトップです。


SV-XG
表面温度 41.8度
消費電力 0.6W
質量   56g
電磁弁動作時のノイズ 有(極小)

CKDの新製品。
低消費電力、軽量化を謳った新モデル。
SMC VQ21同様に生暖かい感じで安心できます。
非常に軽量(7製品中最軽量)ですのでレギュレーターからの
接続で宙ぶらりん状態でも
垂れにくくスッキリまとめられるかもしれません。
消費電力0.6WはCKD FAB11のおよそ4分の1となり
低温化に貢献しています。


LC(仮称)
表面温度 42.0度
消費電力 2.2W(クランプメーターにて計測)
質量   61g
電磁弁動作時のノイズ 有(小)

某アクアショップオリジナル電磁弁
番外編です。
ためしにプレビューしてみました。
非常に小型であり。発熱も想像以上に低温です。
耐久性に関しては未知数ですが
コストパフォーマンス的にも優れた
お勧めの製品ということになりそうです。
継手部はチヨダですが本体は不明。
造りが多少チープですがアクア用途には十分かもしれません。


MODEL:A2A
表面温度 26.0度
消費電力 0.25W
質量   86g
電磁弁動作時のノイズ ほぼ無音

今回計測した中ではダントツにクールな電磁弁。
消費電力0.25Wもレビュー製品中最も低いです。
ほぼ外気温と同じですのでさらに低温時に測定した場合
本体温度も下がる可能性があります。
一度外気温10度くらいで再度計測する必要があるようです。
当方も長い間使用し、造り、性能共に気に入っています。
一般家庭での使用に際し、0から設計を見直したようです。

*レギュレーターR5、S7に採用されています。
専用のため単体での販売は行っておりません。



計測を終えて...

ノイズに関してはdBで表記したかったのですが
あまりに音が小さいため割愛させていただき
勝手にランク付けさせていただきました。
ノイズの問題は同じ製品でも個体差があり
その中でも大きいものがネット上で取り上げられている
ような気もします。
取り付け角度、他物との接触により音が大きくなることもあるようです。
今回の計測で温度、消費電力、ノイズはある程度比例してるよな感じも受けました。
MODEL:A2A計測結果が非常によかったですが
それはこの電磁弁がアクア用に開発されたレギュレーターにあわせて作ってあることもあり
家庭での使用を前提に製作されたためでしょう
主に欧米で人気のあるタイプ。
日本のアクアメーカーは業務用のものを変更せずそのまま流用してますので
そこに大きな差が出ているようです。

たまに質問で電磁弁の耐久性を聞かれることがあります。
まず使用用途によって随分差がでます。
使用流体が液体制御となると気体に比べ寿命が短い場合が多いです。
また使用環境が悪くゴミや異物の混入が激しいとダメージが大きいです。
アクアリウムでの炭酸ガスでの使用(水草、カルシウムリアクター)では気体ですので寿命は比較的長く
製品の種類や個体差もありますが、簡単に壊れるものではありません。
ただし異物の混入を防ぐため必ずチェックバルブ(逆流防止弁)をご使用ください。