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アクアリウム〜海中での太陽光スペクトルの変化とLED考察〜

蛍光灯、メタルハライド、水草・サンゴコーラル用アクアリウムLEDのためのデータ収集

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海中での太陽光スペクトルの変化



比較的透明度の高い海域を選んで測定。快晴。



ファイバの長さのため水深5.5メールが計測の限界。



水面の揺らめきによる光の反射のため水中では スペクトルが落ち着かない
太陽光からスリットに対して水平に波が傾いた時が その水深の最大強度。
ほんの一瞬なのでSpectraSuiteにて最大値を算出。



真夏の猛烈な直射日光と海面の光の反射でふらふらになりながらも無事に計測終了。



地上で計測した太陽光スペクトルに対して
水深が深くなるほどに大きな変化があります。

特に赤い波長は急激にその強度を落とします

ほんの5メートル程度でその強度は20パーセント以下です。
青から緑色の波長にかけて海中を突き進む感じです。
UVである紫外線域も強度を落としています。




今回は海中での太陽光スペクトルがどのように変化するか
実際に分光器([OceanOptics USB4000 380〜780nm)
で計測してみました。
淡水でのスペクトルとは微妙に異なります。
淡水でのテストは次回に...。

計測結果を基にアクアリウムで使用するLEDを考えてみます。
計測地は福岡県のとある海岸(上画像)
やはり四季がはっきりあるのでサンゴ等の生息は不可ですが
真夏の8月に計測ですので太陽光スペクトルも
南国に負けない強度バランスを示してくれました。

水深はファイバの長さのため、5.5メートル付近が限界で
海岸ということもありそれ以上の計測は断念。
10メートルクラスは船から、さらに長いファイバの用意が必要です。

グラフを見ると青色のスペクトルだけが強度を保ち
紫外線UV(400nm),赤系(650nm付近)は強度が落ちて
深度が上がるにつれて急激に下がって行きます。

これは紫外線と赤色の波長を水の分子が吸収している

ために起こります。
それに対して吸収の割合が小さい青から緑色のスペクトルは
海中を突き進み透過し続けます。

海が青く見える理由です。

海中の生態系がこのような光の強度の中で長い年月
進化してきたことを考えると海水槽内の照明の光も
海中の光の波長バランスに合わせてセッティングする必要がありそうです。
浅瀬に行くほど太陽光のフルスペクトルに近づき
深度が深くなるほど青が深まりやがて暗黒の世界のように完全な暗闇が広がります。
育成する生体の生息域(環境、深さ)を把握することが非常に重要かと思います。
多くのサンゴが水深15〜20メートル付近に生息しています。
この海域に生息するサンゴの育成であれば赤い波長を重視する必要はなさそうです。
青い波長を中心とした照明で褐虫藻はしっかりと光合成をしてくれます。
海水魚によっては赤い光に警戒心(またはストレス)を持つものもいますので
赤いLED等の多用は避けた方が良いかと思います。



白色LED素子は白色?


青色LEDは青いスペクトルが突出しており
赤色LEDは赤いスペクトルが突出しています。
緑色LEDも同じく緑だけが突出しています。

白色LEDだけは各色(波長)を含み青から緑、赤にかけて緩やかな
カーブを描く、ある程度の各波長バランスを持っています。

各波長がある程度の強度を持つ(フルスペクトル)と人間の目には白い色として知覚されます。

このため太陽も白く見えます

バランスのよい3波長蛍光灯も真っ白に見えます。



正午に白く見える太陽。


LEDのホワイトも海水に照射すると
赤い波長は水の分子に吸収され強度を落としていきます。
ただしアクアリウムでの水槽の水深は浅いため
例えば水深10Mなどの海底環境を目指す場合、最初からある程度
青が強くて赤の波長域が弱いものを選ぶのが理想です。
フルスペクトルで照射すると浅瀬の環境が出来上がってしまいます。
干潮と満潮の水位差の激しい南国では
浅瀬に行くほどサンゴの生息数は減っていきます。
水深の極めて浅くなるマリンアクアリウム(特にコーラル等)での水槽に対して

フルスペクトルでの照射はあまり現実的ではありません。

故意に青色の波長を持った照明でサンゴの生息する環境を作り出す必要があります。


UV (紫外線)について


UV(紫外線)に関しては赤い波長と同様
海中では水の分子に吸収されて強度を落とします。
青色と同じくらいにUVも透過する見解の方もいますが
実際は赤い波長と同様に吸収されてしまいます。
(度合いは水質、プランクトンの種にも依存する。)
新鋭のライト☆スタッフ、URCHINではUV素子の採用を見送りましたが
UV支持者も多いためFLXのみで一部採用を続けています。
可能性の不透明なUVを搭載するよりもそのスペースに
有効性の確実な青か白のLEDを搭載する方向で採用を見送りました。


UVにおいてミドリイシ等の色揚げで当方はその確実な有効性を確認できません。
UV無しで十分に正常な色揚げが可能で
サンゴ等の育成に熱心なUVを搭載したLED購入者様からも
LEDのUV素子の存在に疑問を持たれる方が多数おられます。
有効性の可否を断言できないのですが
UV-A(400nm)域の必要性はそれ程大きくなく
なくても多くの褐虫藻と共生する生体が
青と白の波長域で見事な色揚げに成功しています。

海中でのUV-Aの減衰率も非常に高いため
主に水深20M前後に生息するサンゴにとってUVは
それほど身近な存在ではないようです。

UV照射によるトラブルと
UVが効果的に作用した場合とでは
若干前者の意見が多いような気がします。
水槽内では無数の化学的変化が生じるため
特定は困難ですが用いるのであれば
照射するUV素子の数と距離などに注意を払い
水槽内での波長強度を意識して設置場所を考える必要があると思います。



グーグルストリートビューで海底散策。

多少重いけど臨場感が素晴らしい。

はるデザイン http://www.haru-design.jp/
スペクトルデータ http://www.haru-design.jp/led/led_Spectra.html